遺伝と遺伝子の違い分かりますか?知っているよう知らない言葉の意味について説明します

遺伝と遺伝子の違い分かりますか?知っているよう知らない言葉の意味について説明します

よく「〇〇病は遺伝が原因」や「〇〇病の原因遺伝子を特定」などと書かれたニュースや記事を目にすることはありませんか。

遺伝遺伝子という言葉があたかも同じ意味のように使われていると感じてしまいます。

このブログでは分りやすく、正確な情報を伝えたいと考えておりますので物足りなく感じる方もいらっしゃるかと思いますがお付き合い頂けましたら幸いです。

そこでまず初めに、遺伝遺伝子という言葉の意味の違いからお伝えしたいと思います。

遺伝と遺伝子

英語ではgene(遺伝子)inheritance(継承・遺伝)という言葉が、日本語では「遺伝」という一つのキーワードで混同されがちなのが誤解を生じている一因だと考えられます。

遺伝とは

遺伝という言葉を辞書で調べてみると

① 親の形質が遺伝子により子やそれ以後の世代に伝えられること。
② あとまで残り伝わること。また,残し伝えること。

と記載があります。

親から子へひいては次の世代から次の世代へ形質(例えば顔の特徴、体格、髪の色、目の色など)が伝わっていくことを遺伝といいます。その特徴を伝える物質が遺伝子ということになります。

②について説明しますと、遺伝情報というのは一人の人が生きている間だけ持っているものでは子どもへ伝わる情報であり、さらにその次の子どもへも伝わっていきます。家系全体で保存されているとも言えます。

その反対に自分の遺伝子を調べることで過去の人々と自分がどのような繋がりがあるのかを調べることができます。

この様なことを利用し遺伝子を調べることで先祖のルーツを調査するといった先祖解析サービスを行っている会社があるのも事実です。

遺伝子とは

同じように遺伝子という言葉を辞書で調べてみると

染色体中に一定の順序で配列されて各々一つずつの遺伝形質を決定し、両親から子孫へ、細胞から細胞へと伝えられる因子。遺伝子の本体は DNA (一部のウイルスでは RNA )であり、そのヌクレオチドの塩基の配列順序の一定の部分によって特定の形質を発現したり、調節したりする情報が伝えられる。遺伝因子。

何を言っているのかよくわかりませんね。

遺伝子は体を構成しているタンパク質を作るための設計図になります。この設計図が親から子へ伝わっていきます。人は約22,000種類の遺伝子を持っています。この設計図の変化または変化することで何らかの症状が出たり、病気が発症したりする原因の一部となります。

ここでは遺伝子の構造について詳しく説明しませんが、人は22対の常染色体と呼ばれる染色体と1対の性染色体(女性はXX、男性はXY)の計23対(46本)の染色体を持っています。

染色体の対は片方は母親から、もう片方は父親からもらうわけです。

遺伝子はこの染色体の中にあり、遺伝子と染色体を合わせて「ゲノム」と呼ばれています。

遺伝性の病気はめずらしいのか

信州大学の調査によると「遺伝性の病気になる体質をもつひとは全人口の何パーセントぐらいだと思うか」という質問に対して、一般市民の約1/3の方は10%未満との回答であったと記載されています。

先ほどお伝えしたように遺伝子の変化が病気に関わっていることは事実ですが、必ずしも遺伝子の変化があるからといって病気が発症するわけではありません。

人は染色体を対で(2本)持っています。つまり遺伝子も2つあるわけです。

片方の遺伝子に変化があることで症状がでることもあれば両方の遺伝子が変化しないと症状がでない病気もあります。前者を優性(顕性)遺伝病、後者を劣勢(潜性)遺伝病と言います。詳しい内容はまた別の記事でお伝えしたいと思います。

劣性遺伝病の場合は片方だけに遺伝子の変化を持っている人(保因者と言います)は症状を示しません。

50人に1人は保因者であると言われています。また、われわれは誰でも10個程度の病気の原因となる遺伝子の変化を持っていると考えられていることから遺伝子の変化を持たない人は存在しないことになります