言葉の意味がわからない!遺伝子の変化?バリアント?ってそもそも何?
遺伝子の変化が病気の原因であるとかその人の体質に関係していると聞いたことがあるかもしれません。
それを聞いて自分の遺伝子に何か悪さをするような変化があるのだと思うかもしれません。
そもそも、遺伝子の変化ってどういうことだろうと思いませんか?
例えば何と比較して変化があといえるのか、または変化があると何がいけないのだろうなど疑問が湧いてきます。
それら疑問を解決するために、今回は遺伝子の変化について解説したいと思います。
遺伝子とは
遺伝子については「遺伝と遺伝子の違い」の記事をもう一度確認して頂ければと思いますが、簡単に説明させてもらいます。
遺伝子は、ヒトの体の部品を作るための重要な情報を記録している場所であり、ヒトの個性や体質を生み出す設計図です。
A(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)と呼ばれる4種類の部品からなるDNAから作られています。ヒトは約22000個もの遺伝子を持っているといわれています。
遺伝子を構成しているDNAの違いによって、肌や髪の毛の色、背が高い・低いなどの「目に見える」特徴だけでなく、お酒に強い・弱い、ある病気にかかりやすいといった「目に見えない」体質を決めています。
遺伝情報と設計図
遺伝子はATGCの文字情報の並びによって作られていると説明しました。
この文字情報は3文字を1組として意味をなしています。
例えば「ばらがさいたばらがさいた」という文字の並びがあったとして「ばらが」と「さいた」の3文字で意味がわかりますよね。
このようにATGCの3文字で何らかの意味をなすというルールがあります。
このルールが設計図に書かれており、遺伝子の働きに関係しています。
遺伝子の変化とは?
国際基準ゲノム配列(参照配列)とご自身の遺伝学的検査によって得られた遺伝子の配列(遺伝子の並び方)を比較して異なっているところが遺伝子の変化ということになります。
ただし比較する国際基準ゲノム配列はヨーロッパ系とアフリカ系の方に由来するといわれていますので民族によるゲノム配列の違いを比較しているとは限りません。
簡単に言いますと、これが人間の基準ですよと決められた遺伝子の配列と自分の遺伝子の配列を比較して違いがあったらそれが遺伝子変化があるということになります。
ただ、注意して欲しいのが違い(変化)があったからといって必ずしも病気と関係している訳ではありません。
変化の中には病気を引き起すものもあれば、何の影響もないもの、逆に病気のリスクを減らすようなものもあります。
遺伝子の変化のことをバリアントと呼びます
先ほど話しました参照配列と比べたときの配列の違いのことを遺伝医療の中ではバリアントと呼びます。
つまり遺伝子の変化がある場所のことをバリアントと呼びます。
バリアントにはATCGといった文字情報の一文字だけが変化しているものもあれば、2文字が間に入り込んだり、逆に文字が欠けていたりなど複数の変化のバリエーションがあります。
遺伝の変化(バリアント)の種類
ここでは遺伝子の変化にどのような種類があるのかを説明していきます。
一文字の変化
文字通り一文字だけが変化することをいいます。先ほどの「ばらがさいたばらがさいた」を例に挙げると、「ばらが」のら→かに変化したとします。
そうすると「ばかが さいた ばらが さいた」となり「ばかが さいた」となりもともとの意味とは異なってきますよね。
意味が異なることで遺伝子の働きに影響することも考えられということです。一方ら→ラに変化したとすると「ばラが さいた」となり文字は変化したけど意味は変わらないこともあるということです。
挿入、欠失
挿入とは文字が入り込むことです。
入り込む文字は1文字の時もあれば複数文字の時もあります。逆に欠失は文字が欠けることです。これも1文字の時もあれば複数文字欠けることもあります。
挿入、欠失することで文字の並びがずれてしまい変化が起こった場所だけでなく他の文字にも影響することになります。
先ほどの「ばらがさいたばらがさいた」を例に挙げるとにが入り込むまたはらが欠けることで文字の並びがずれまったく意味が変わってしまいますね。遺伝子がうまく働かなくなることは容易に想像がつきますよね。
詳しい話をするともっと種類があるのですが、難しくなってしまうので基本的なものだけ紹介させてもらいました。また別の機会で説明したいと思います。
まとめ
遺伝子の変化とは基準となる配列と違う部分のことをいいます。
遺伝子の変化があったからといって、かならず病気に関係しているとは限りません。
影響が全くないかもしれなし、身体的な特徴や体質には影響するかもしれないですし、病気の原因となるかもしれません。
遺伝子の変化がみつかったからといって慌てるのではなくどのような変化なのかどういった影響があるのかを遺伝カウンセラーなど遺伝の専門家からきちんと説明を聞くことが大切です。
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