単一遺伝子疾患とは?どのような遺伝の病気のことを表しているのか説明します
遺伝性疾患と言われても何のことだがよくわかりませんよね。
どのような病気であっても遺伝子と環境が相互に関係し引き起こされていると言っても過言ではありませんが、遺伝要因が及ぼす影響は大きいものから小さいものまで様々です。
遺伝要因がその症状の発症に大きく関与する疾患や遺伝要因が発症に部分的に関与する疾患は主に下記3つに分類されます。
・単一遺伝子疾患
・多因子疾患
・染色体異常症
染色体異常症に関しましては過去の記事である染色体異常とはに説明をしてりますのでご覧になってください。今回は単一遺伝子疾患につてお伝えしたいと思います。
単一遺伝子疾患とは
単一遺伝子疾患はたった一つの遺伝子の構造異常が原因で発症する疾患の総称です。
その異常は次の世代にも受け継がれ、その際の変異した遺伝子の伝わり方がメンデルの法則によることからメンデル遺伝病とも呼ばれます。
単一遺伝子病と記載されいるものもあるかと思いますが同じ意味です。
その変異は父親の染色体と母親の染色体の両方の染色体上に存在していることもあれば、父親か母親のどちらかの染色体上に存在し次の世代に受け継がれる場合もあります。
メンデルの法則とは
この言葉は一度はどこかで聞いたことがあると思いますが(理科の授業ですかね)単一遺伝子疾患を理解する上で重要な法則となりますので少し説明をさせてもらいます。
優性の法則、分離の法則、独立の法則があり例外を除いてこれらの法則は人でも適用されます。
グレゴール・ヨハネ・メンデル
1865年にグレゴール・ヨハネ・メンデルがエンドウマメの交配実験から発見しました。
実のところメンデルはエンドウマメに入れ込んでいたわけではなかったようです。
若い修道士であったメンデルはマウスに興味を抱いていました。
メンデルはマウスの交尾習慣について研究していたが、修道士にもとめられる規律から修道院の司教に禁止させられてしまったことからエンドウマメに方向転換することになりました。
もしメンデルがマウスで研究を続けていたらどうなっていたかは知る余地がないですが、エンドウマメよりも複雑な生物を研究していたらもっと革新的な発見を成し遂げていたかもしれません。
優性の法則
ひとつの遺伝子座に異なる遺伝子を持っている場合、形質の現れやすい方を優性、現れにくい方を劣性と呼びます。
簡単に言いますと、遺伝子座というのは遺伝子が染色体上のどこにあるのかと言った住所のようなものです。
父親由来の染色体と母親由来の染色体を2本持っていますので基本的には2つの同じ遺伝子を持っていることになります。
染色体上のある場所にある遺伝子がエンドウマメの見た目に関わる遺伝子としましょう。
丸型になる遺伝子をA、しわ型になる遺伝子をaとします。代々、丸型のエンドウマメはAAの遺伝子を、しわ型はaaの遺伝を持つことになります。
丸型としわ型を交配すると子はAaの遺伝子を持つことになります(父親と母親から一つずつ遺伝子を受け継ぐからです)。
そして子は丸型のエンドウマメとなります。Aとaの両方の遺伝子を持っているのに丸型として表現を示す場合、丸型の遺伝子Aが優性、しわ型の遺伝子aが劣性ということになります。
分離の法則
父親と母親から子へ遺伝子を渡す際、父親は2本ある染色体の片方の染色体のみを渡します。母親も同様に片方の染色体を渡します。
すると子は父親と母親から半分ずつ染色体を引き継ぐことで同じ染色体の量をもつことになります。
つまり父と母の遺伝子を分けて子に伝えることを分離の法則と言います。
丸型の遺伝子Aとしわ型の遺伝子aを持った親同士が交配すると図のように4つのパターンなるということです。
ここで注目してもらいたいのは1つだけしわ型のエンドウマメが生まれてくることです。
つまり親では現れなかったしわという表現系が子では現れるということです。
このしわという表現系を病気の症状だと考えていただければ想像しやすいかと思いますが、病院で遺伝カウンセリングを行う際に家系図を作成することは重要な意味を持っているということです。
独立の法則
二つ以上の異なる形質を示す遺伝子を持つ場合、それぞれの遺伝子は独立して分離することを言います。
つまり丸型Aかしわ型aに関する遺伝子と緑色Bか黄色bに関する遺伝子を持っていた場合独立して分配されるということです。
どのような分離形式があるか図にしましたので分かりやすかと思います。
以上、優性の法則、分離の法則、分離の法則についてお話致しました。
しかし、必ずしもこの人ではこの法則が成立つわけではなく、一部例外がありますので別の機会でお伝えしたいと思います。
単一遺伝子疾患の形式
人における単一遺伝子病の遺伝様式はその遺伝子がどの染色体にあるか(常染色体か性染色体か)と変異遺伝子の発現効果によります。
これらの遺伝病は一般的にメンデル遺伝の法則に従って伝達されるのでメンデル遺伝病と称されます。遺伝形式としては主に書下記となります。
・常染色体劣性遺伝
・常染色体優性遺伝
・X連鎖性遺伝
次からはこの遺伝形式についてお伝えしたいと思います。
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